数年前、カンタオール、アルカンヘルの伴奏で来日し、鮮烈な印象をファンの間に残して行ったギタリスト、ミゲル・アンヘル・コルテス。かつては「パコ・デ・ルシア・ギター・コンクール」で優勝経験もある彼だが、この度、その豊富なキャリアを存分に生かして制作した教則DVDを発売。スイス・エンクエントロ社の教則ギターシリーズ「ラ・ギターラ・フラメンカ」の第12弾だ。本教則ソフトの一番の大きな特徴は、変則キー (従来の曲種ならミネーラのキーなど)を多用して様々な曲を演奏していること。例えばソレアなら通常のポル・アリーバ(E)のほかに、ミネーラのキーのG♯やD♯で弾いている。ブレリアの場合は、通常のポル・メディオ(A)のほかに、C♯やD♯で弾いている。これが現代スペインのトレンドかと思うと道は険しいが、変則キーには、新しい世界に連れて行ってくれるような、曰く言いがたい開放感がある。